第118話「余力のサイン」 診断から3年11ヶ月 2026.6.12

先日、コートリル案件になった日がありました。
後からHRVアプリのデータを見返してみると、その日の体感とかなり一致していて驚きました。

私が使っているHRVアプリは、Apple Watchを購入した2018年からのデータを読み込んで学習しています。
使い始めてまだ数か月ですが、かなり精度が高い印象があります。

6月9日は、アプリ上でも余力が落ちているサインが出ていて、なんとなく無理をすると危なそうな感覚がありました。
実際、私がコルチゾール不足を感じる少し前の段階で、「余力が下がっている」という通知も届いていました。
ただ、その時は外出中でした。

本当なら横になって休んだり、早めに切り上げたりしたかったのですが、コートリルを少量追加することにしました。
すると体感も改善し、その後のHRVも持ち直していました。

この日は激しい運動をしたわけではなく、夕食前の空腹状態で外出して、街を歩いただけでした。
正直、「これくらいで?」と思いましたが、振り返ると、夕方・空腹・外出・人混み・歩行という条件が重なったのがトリガーになったのかもしれません。

ひとつひとつは大したことがなくても、余力が少ないタイミングでは積み重なって負荷になる。
この病気になってから何度も学んできたことですが、今回もまた同じことを教えられた気がします。

日常の補正

私は自発コルチゾールが残っているので、シックデイ以外の日常の補正はコートリル1.25〜2.5mgで十分なことがほとんどです。
5mgを使うのはよほどの時で、2.5mgでも思っている以上に効果があります。

以前調べた時に、2.5mgでも血中コルチゾールは一時的に18μg/dL前後まで上がる可能性があることを知りました。
5mgや10mgを飲めばさらに安心という話でもなくて、ピークだけが高くなり、かえって持ちが悪くなってしまうこともあるそうです。

資料[出典]Hindmarsh, Peter C.; Geertsma, Kathy. Replacement Therapies in Adrenal Insufficiency. Elsevier Science. Kindle.

この資料によると、一番高い498nmol/L(18.0μg/dL)は、18:00にコートリル2.5mgを飲んだ30分後の値です。
1日4回投与の推移を見ると、16:00に2.5mgを飲んだ後は298nmol/L(10.8μg/dL)、0:00に2.5mgを飲んだ後は265nmol/L(9.6μg/dL)まで上がっていて、同じ2.5mgでも、上がり方にはかなり差があることがわかります。

コートリルの効果は、その時点で体内に残っているコルチゾール量や、CBG(コルチゾール結合グロブリン)、代謝速度、前回投与の影響などによって変わるそうです。
逆に言えば、条件が整っている時は、少量のコートリルでも十分な効果が得られる場合があると言われています。

2025年12月21日(日)16時から行われた「間脳下垂体機能障害の各疾患の病態と治療に関して」のWeb配信でも、「空腹時に2.5mgという飲み方であれば、飲み過ぎになりにくく、自発も残しやすい」という話がありました。

資料

コートリルの追加は量だけの問題ではなく、補充の仕組みを理解して工夫することで、日常の微調整はこの範囲で十分できる人もいるのかもしれません。

シックデイルール

特に私の場合は、他に併発しているホルモン疾患がなく、「副腎皮質機能低下症だけ」の比較的シンプルな病態です。
なので、大きな炎症や感染症がない日常は、足りない分を少し補正する程度でコントロールできる場面が多いのかもしれません。

逆に10mgや20mgが必要だったのは、高熱が出た時や感染症の時など、本当に需要そのものが増えていた場面でした。
発熱や炎症がある時は、その場では元気に感じていても、体の中ではコルチゾールの需要が大きく増えています。
「今は平気だから飲みたくない」と思っても、後からしっかりツケが回ってくることを何度も経験しました。

だからシックデイルールはやっぱり大事なんだと思います。
怪我や火傷の時も同じです。

そして、コートリルを足すことだけではなく、そもそもコルチゾールの需要を増やさない工夫も大事にしています。



2026.6.12
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