第122話 低体温の感染症

久しぶりに、しっかり感染症にかかりました。

結局、インフルエンザだったのかコロナだったのか、それとも別の感染症だったのかは分かりません。ただ、喉の強い痛みから始まり、倦怠感、気管支炎のような症状、喘息のような呼吸苦(喘鳴なし)と低酸素、そして途中から嗅覚までなくなったので、体感としてはかなり強めの感染症でした。

それなのに、今回はほとんど熱が出ず、ずっと低体温でした。

耳の違和感から始まる

朝起きた時、最初に感じたのは「耳が詰まっているような感じ」でした。でも、その時点では喉も痛くないし、熱もありません。いつものルーティンで10分ほど有酸素運動をして、その後は顧問先の社長とランチへ行きました。

なんとなく体がだるい感じはありましたが、日頃からコルチゾールが少なめな私は、この程度の倦怠感なら普段から時々あるので、今日はちょっと調子が悪いかな?くらいに考えて、普通に過ごしていました。

ところが夕方、夫とディナーへ行っている途中から、急に喉がものすごく痛くなりました。以前コロナに感染した時と、とてもよく似た喉の痛みでした。さすがに感染症かもしれないと思いましたが、その夜はひとまず様子を見ることにしました。

低体温

翌日も喉の痛みは続き、倦怠感と風邪症状が出てきました。でも、熱がありません。むしろ体温は低めで35.0℃くらいを行き来していました。発熱もなく、動けないほど具合が悪いわけでもなかったので、病院には行かず、自宅で仕事をしていました。

そして、その日の午後に、近くに住んでいた夫の親戚が亡くなりました。少し前にホスピスへお見舞いに行ったばかりでした。本当は最後に立ち会いたかったのですが、自分が感染症の可能性がある以上、行くことはできませんでした。

その後も、倦怠感と風邪症状は続きました。

通夜と葬儀

4〜5日経過しても、まだ風邪症状は残っていましたが、マスクをして通夜と葬儀に参列しました。葬儀が終わった後に、さすがに体がしんどくなってきました。通夜や葬儀で普段より長く動いていたこともあり、夕方にコートリル2.5mgを服用して、いつも以上に塩分と水分をとることも意識して過ごしました。

欧米の患者さんたちが、体調や体への負荷を見るひとつの目安としてHRV(心拍変動)を活用していることを知って、私も参考にしています。前回の感染症で副腎クリーゼになりかけた時は、あとから振り返ると、HRVがかなり下がっていたので、変化にも注意しながら過ごしました。

呼吸器症状が悪化

翌日になると、今度は症状が気管支の方へ降りてきました。気管支炎なのか、喘息なのか、以前よく経験していた、胸や肺が詰まっていくような嫌な感覚が出てきました。喘鳴はありません。

感染症の初期には体の免疫反応も必要なので、必要以上のステロイドによる免疫抑制などの不利益も考えて、私は症状や体への負荷を見ながら、コートリルを服用するタイミングを考えています。このタイミングになると、免疫との兼ね合いも考えなくて良いと思ったので、コートリル5mgを服用して過ごしました。

夕方になると、さらに肺が詰まったような感じになり、息苦しくなってきました。私はもともと、喘鳴がなくても呼吸器症状が強く出ることがあったので、試しにメプチンを1吸入しました。すると、かなり改善しました。

もしかして喘息が再発したのかもしれないと思って、呼吸器科を受診しました。血液検査では白血球が上がっていたため、抗生剤を使うことになりました。そして、しばらく寛解していて使わずに済んでいた、喘息のステロイド吸入も再開しました。これが、ものすごく効きました。

私にとって、この呼吸器症状は昔から「症状のラスボス」のような存在です。以前はここまで来ると、プレドニンを単発で服用して対処することになっていました。

でも今回は、ステロイド吸入を再開しながら、必要に応じてコートリルを2.5〜5mgずつ使い、1日の合計7.5mg程度で対処することができました。このパターンの呼吸器症状を、プレドニンを使わずに乗り切れたのは初めてでした。

嗅覚がなくなる

6日目になると、今度は、匂いが分からなくなりました。ここでやっと、普通の軽い風邪ではなかった可能性を考えました。この日はまだ体調も悪く、コートリルは5mg+2.5mgで、合計7.5mgでカバーして過ごしました。

それでも不思議だったのが、やっぱり熱が出ないことでした。これだけいろいろな症状が出ているのに、体温は低いままなのは、どうしてだったのか分かりません。

やっと発熱

7日目には、いったん軽くなっていた倦怠感が再び強くなったので、ほとんど眠って過ごしました。そして、この日になってようやく体温が36.8℃まで上がり、汗をかくことができました。その後、少しずつ体が楽になっていきました。

嗅覚がなくなっていたこともあり、念のため、いつものかかりつけ医も受診しました。典型的な喘息のように喘鳴があるわけでもないので、今後、呼吸器科の治療を本格的に再開する必要があるのかは、もう少し経過を見ながら決めることになりました。

「熱がない=軽い」ではなかった

今回、一番印象に残ったのは、これだけ症状が出ていたのに、終始ほとんど発熱しなかったことでした。喉はかなり痛く、倦怠感もあって、呼吸器症状も悪化して、嗅覚までなくなり、血液検査では白血球も上がっている。

それでも体温だけを見ると、むしろ低いので、インフルやコロナの検査をすることなく通り過ぎてしまいました。

もうひとつ今回の収穫だったのは、呼吸器症状への対処です。以前なら「ここまで来たらプレドニン」というところまで悪化していたのに、ステロイド吸入と必要最小限のコートリルで乗り切ることができました。

もちろん、感染症の種類も重症度も毎回違うので、単純には比較できませんが、以前とは違う対処の仕方で回復まで持っていけたことは、私にとって新しい経験になりました。

最近は、吸入ステロイドでも種類や量、使い方によっては副腎機能に影響することがあると分かっています。私にとっては、呼吸器症状をきちんと抑えることも大事だけれど、副腎への影響もできるだけ少なくしたいところです。

欧米の患者さんたちから教えてもらったことや、英語の論文を読んでコツコツ集めてきた知識が、今回の治療にも少し役立ち、またひとつ、自分の体の取扱説明書を更新することができました。

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