第105話「血糖値と不調」 診断から3年4ヶ月

副腎皮質機能低下症と診断されてから3年4ヶ月、コートリルを頓服に切り替えて1年11ヶ月が経ちました。今は日常生活をおおむね送れていますが、まだ時々コートリルを飲まないと体調を支えられない日があります。その原因を探るために、リブレを使って血糖値をモニタリングしてみました。

日中の血糖パターンには一定の波があり、食後や活動後に血糖値スパイク(急上昇と急降下)が起きている時間帯が見えてきました。そのタイミングで、その日の夕方や翌日に不調が出ていることもありました。血糖にはかなり気をつけていたつもりでしたが、さまざまな要素が重なっていると思っていた「頓服をゼロにできない理由」も、実際にはこの血糖の変動が関係していたのかもしれません。

Hindmarshの専門書には、血糖が低血糖レベルまで下がらなくても、急な降下があると体に負担がかかり、その反動でコルチゾールが消費されてしまうと書かれています。血糖が乱れると、その変動に対応するために体はコルチゾールを分泌しようとしますが、副腎皮質機能低下症のようにコルチゾールを作りにくい状態では、その反応がうまく働かず、結果的にコルチゾール不足が進んでしまうそうです。

今回のデータをもとに、運動前の捕食のタイミングや糖質量を工夫してみたところ、体調を崩さずに活動できるようになり、コートリルを頓服せずに過ごせています。日中のエネルギー切れも起きにくくなり、これまで何度も挫折していた「朝シャワー前の軽い運動」も、ようやく習慣として続けられるようになったのは、大きな前進でした。

初期の頃の私は、低血糖を感じたときにスポーツドリンクや甘いもので回復を試みていましたが、早い段階で「これは一時的に持ち直すだけで、根本的な予防にはつながらない」と気づき、少しずつ食事の内容や生活リズムを見直していくようになりました。

血糖が乱高下するほど、インスリンが過剰に分泌され、その反動でまた低血糖が起きて、再び糖分を摂ることになります。こんな悪循環を繰り返すうちに、副腎や膵臓に負担がかかって、インスリンの効きが悪くなり、糖尿病などの生活習慣病につながることもあるそうです。

「血糖値が高いと回復が遅くなる」というのは、怪我や手術だけでなく、感染症や喘息の経過にも影響することがあるそうです。血糖が安定しているほうが、シックデイの回復も早く、増量期間も短くすむ可能性があるので、やっぱり血糖値は、思っている以上に毎日の体調に影響していると感じました。

また、血糖管理とコルチゾールの管理には共通点があり、どちらも「足りなくなってから慌てて補う」より、「足りなくならないように整えておく」ことが安定の秘訣でした。コルチゾール不足になった時はコートリルを足すしかありませんし、低血糖になった時は糖質でカバーするしかありませんが、大切なのは、そうした応急処置が“常態化”しないように整えておくことだと思います。

今回、あらためて血糖の変化を見える化したことで、日常で気づけていなかった体の「小さなサイン」を見つけ、少しずつ整えていくうちに、日常がまた一歩、軽く穏やかになっていくように感じています。



2025.10.31
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